前回の続きで、この夏の中国旅行の話しをしたいと思います。いきなりソフトな話題で恐縮ですが、4年ぶりの中国出張で、行く前に本場(ふるさと)の味を絶対堪能すると決めました。また、前回も書きましたが、8月の真夏で、北京からずっと南下して最後は深セン、香港まで足を伸ばす旅は、如何にして体力を維持するか、油断できないと警戒していました。
北京で数日滞在の後、ほぼ1日1か所のペースで高速鉄道で鄭州、武漢、広州、深センを回りました。昼間は訪問先など回りましたが、ホテルに戻るのが大体夕方あたりです。疲れと空腹のダブルパンチですが、さあ何を食うか、楽しさが一気に湧いてきます。そこで、日本の中華料理では、なかなか見かけない一品、「清蒸桂魚」は今回の出張で何度も堪能しました。
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この蒸し魚の料理法は意外と簡単です。魚の内臓や鱗を取り除いた後、ネギと生姜、料理酒を若干注いだら、あとは7~8分蒸すだけです。出来上がったらネギやパクチーの細切りに自家製たれ(醤油をベースにごま油や砂糖)をかけて完成。いや~!この絶品で1日の疲れが吹き飛ばされました。
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余談ですが、日本に帰ってから、蒸し魚の料理を挑戦してみました。上記のような料理法で数回やりましたが、まあまあ美味しかったのですが、どうも中国で食べた味にはなりません。味付け?蒸す時間?たれ?それとも魚の種類?などなど。いろいろと悩みながら近いうちに再挑戦してみようと思っているところです。
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次は朝食の話題ですが、これも楽しみの1つで、ずばり肉まんとお粥(というよりその組み合わせ)です。小さい頃に覚えた味のせいか、中国のホテル朝食では必ず食べる一品です。極めて庶民的な朝飯ですが、これを食べると気持ちが落ち着きます。特に前の晩に飲み会など二日酔いの時、酔い覚めと消化に良く、お薦めです。
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ホテルでの食事はさておき、もう1つ紹介したいのが大学の学食です。今回の旅で清華大学を訪問した時、学食を体験しました。昔と違って綺麗で料理の種類も多く、炒め料理が数十種類あるほか、麺類、肉まん、饅頭(マントウ)、さらに串焼きまでありました。
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料理自体はどれも旨そうなほか、相変わらず驚いたのがその値段。下記写真の麺類はたったの5元(約100円)で、お腹がいっぱいになります。毎日通いたいぐらいです。
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中国の有名な言葉、「民以食為天」(民は食をもって天となす)があります。また、以前に「食べたか」というあいさつ言葉もあったほど、食のことを最重要視する国民性でもあります。食を抜きに中国が語れないと言っても過言ではありません。最近の国際関係がギクシャクしており、うまくいかないケースがあちこちで起きています。
そんなに難しく考えずに、まず食事から入りましょう!
(文中の写真はすべて筆者撮影)
雷 海涛(2023年11月)