【北京だより】12月3日号

近年来、中国国内においては、「共享経済」(シェアエコノミー)が話題になっています。今週は北京市内における「共享経済」の代表的な例である「共享単車」(シェア自転車)の様子等をご紹介します。

2016年から、中国国内においては「共享単車」が突然、急成長に入り、町中には各ブランドのシェア自転車があっちこっちで見られるようになりました。「OFO」、「摩拝」、「小藍」等、北京市内においては嘗て16のブランドがありましたが、激しい市場競争を経て、今は「美団」(下図黄色の自転車)と「哈囉」(下図青色の自転車)、「青桔」(下図緑色の自転車)の3社に集約されるようになってきました。

 

公表データによると、2021年上半期、北京市内においては「共享単車」約80万台、郊外部は約12.8万台で運営され、1日当たりの利用回数は229.3万人回に達したそうです。下図は地下鉄建国門駅の入り口で撮影した写真です。晩の退勤時、皆シェア自転車に乗って地下鉄駅まで来ますので、自転車は置くところもないほど多く並べられています。

 

下図は「美団」の利用ルールですが、普通、30分以内の走行は1.5元です。走行を終える場合、次の利用者が簡単に自転車を見つけるように、交通が便利な道端等に自転車を置かなければならないです。毎日利用している場合、1か月分のセットで購入したほうがお得です。1か月平均16.8元で済みます。

自転車の整理、整頓作業も大変なようです。地下鉄駅の周辺や住宅団地の外側、商業施設の周り等、一般的なところでは、自転車が適当に置かれていて、乱れている感じです。長安街周辺はかなり特別で、専門の担当者によって綺麗に並べられています。

 

また、シェア自転車の管理も沢山の人力が必要なようです。下図は自転車を搬送しているトラックと三輪車の様子です。自転車が足りないところに搬送して、ついでにその付近で故障したものを回収し、修理工場に出すようです。トラックのほうが多く見られますが、道が狭い場合等は三輪車で搬送するようです。

 

私も日ごろ、「美団」のシェア自転車をいつも利用していますが、朝晩の出退勤時間帯では必要なシェア自転車がなかなか見つからないようです。北京のような特大都市においては、90数万台のシェア自転車を必要なところへ配分、調達することが非常に難しいそうです。今後、北京市民のニーズを満足させるため、運営業者がビッグデータ等の手段を利用し、シェア自転車サービスを効率よく運営することを期待しています。

 

以上