【北京だより】10月29日号

最近、久しぶりに北京市内の天壇公園に行きました。今週は秋の天壇公園及び「菊の展示会」の様子等をご紹介します。

天壇公園の南門の様子です。天壇公園には幾つかの門がありますが、南門は駐車場があり、非常に便利なので、ここから入ることにしました。最近、全国各地でコロナがまた酷くなり、事前に予約しないと公園には入れないそうです。携帯から時間帯を指定し、実名制でチケットを購入しておく必要があります。

 

南門から入って、中軸線に沿って、まずは有名な「圜丘」に着きました。「圜丘」は古代の皇帝が冬至に天を祭った場所で、明嘉靖九年(西暦1530年)に建てられました。最初の壁は四角形で外と呼ばれ、二番目の壁は円形で内と呼ばれ、「天円地方」を象徴しています。内の中央に位置している天台は「圜丘台」です。

次に「回音壁」(エコー壁)に着きました。「回音壁」は「皇穹宇」という建物の塀で、高さは3.72メートル、厚さは0.9メートル、周囲は193.2メートルです。この壁にはエコー効果があるそうです。もし一人が東の壁の下に立って、北に向かって話しかけると、西の壁の下まで声がはっきり伝わると言われています。

 

「回音壁」の見学が終わり、次に一番有名な「祈年殿」に向かって出発しました。今週の北京は暖かくて、天壇公園に観光に来た人も多いようです。今、コロナの関係で、北京以外のところからの観光者は少なくて、多分大半は地元の人たちでしょう。  

 

10分ぐらい歩いて、天壇の主要建築物である祈年殿に着きました。祈年殿は祈穀殿とも呼ばれ、明と清代においては皇帝が孟春に豊作を祈願した所です。祈年殿はレンガと木の構造で、高さは38メートル、直径は32メートルで、傘の形をしています。祈年殿内の柱の数も、天象によって建てられたと言われています。内の周囲の4本の「竜井柱」は4季、中で囲んでいる12本の「金柱」は12ヶ月、外周の12本の「軒柱」は毎日の12の刻限をそれぞれ象徴しているそうです。

 

また、今現在、祈年殿の周辺でちょうど「菊花の展示会」が開催中なので、様々な菊の花が多数展示されています。当展示会は11月末まで続くそうです。展示されている花はすべて天壇公園が自ら育成したもののようです。

報道によると、今回の展示会では、菊花の盆栽が1万以上だそうです。当日は、観賞者の大半はお年寄りで、ほとんどが専門の高級カメラを使っています。綺麗な花を撮影しながら友人と交流する人も多いようです。

普段あまり見られない大立菊や懸崖菊などの種類も多数展示され、その満開の姿はまさに秋の気配と呼応し、観賞者の注目を集めています。

 

以上