【北京だより】9月15日号

最近、自宅の住宅団地周辺で新しい動物病院が開業しました。この近くでは従来、動物クリニックとペットケアの店がそれぞれ1か所ずつあり、動物関連の店はこれが3軒目となります。

これらの動物病院やクリニック、ペットケアの店等はほとんど24時間対応で、ペットのシャワー、美容、水泳等の日常サービスから、ペットの食料品とペット用品の販売、ペットの診療、手術まですべてのサービスがカバーされています。知人の話によると、例えば犬のシャワーは1回につき40元~60元、美容の場合は少し高くて、1回につき100元あまり~200元、出張などで犬を預ける場合、1泊200元から300元だそうです。

ここ10年来、中国のペットの数量は急速な成長を続けており、関連データによると2022年の中国のペット総数は4億3,000万匹で、種類別に見ると猫が一番多く約9,896万匹、次は犬で約8,672万匹となっています。都市化の加速によるレジャー時間の減少や、住宅値段の高騰に伴う住宅面積の縮小に伴い、猫の数は2021年に初めて犬の数を上回りました。猫と犬以外ですと、次は魚が3番目の座を占めているそうです。

また、「2022年中国ペット業界白書」によると、2022年の80後(1980年以降生まれ)、90後(1990年以降生まれ)、95後(1995年以降生まれ)のペット所有者の割合はそれぞれ20.3%、19.1%、36.8%で、ペットを飼う人々が相対的に若くなっていることが明らかになりました。うち、大学の学部以上の学歴を持つ人の割合は上昇を続け、21年現在62.6%まで増加しました。

ペット数量の急増に伴い、ペット医療も急成長の勢いを見せています。2022年の中国ペット病院とクリニックの総数は22,359カ所となっています。しかしペット医師など人材の供給の不足が目立っていて、各大学では動物医学に関する専門を徐々に開設しているとしばしば報道されています。

また、北京ではMarsmart(火星ペット用品スーパー)のようなペット用品専門スーパーも注目を浴びています。このスーパーは会員制で、年間会費は120元で、店内には5,000品目以上のペット用品が販売されており、豊富な品揃えで若者の中で人気がかなり高いそうです。

これからの家庭収入の増加と「不婚不育」(結婚しない、子供が要らない)潮流の発展に従い、ペットを飼う人はおそらくますます増えていき、ペット経済はこの先も長期間の高成長が続くだろうと思われます。

以上