【北京だより】7月12日号

7月から中国各地では学校が夏休みに入りました。これは学生にとって1年の中で最も長い休暇で、8月末まで2か月ぐらい続きます。夏休みの時間を利用して、各種の塾に通っている学生が多く、今週は北京の塾の様子等をご紹介します。

2021年7月以来、国の政策調整により、義務教育段階(中学校卒業まで)の営利性学科類学塾、例えば国語、数学、英語等は殆ど閉鎖することになりました。現在、北京においては主に芸術系と体育系を中心に塾を展開しているようです。

芸術系の中で一番人気なのはやはり絵画で、次には書道のようです。学校の中で絵画や書道の交流会、新聞紙宣伝活動等がよくあるため、大半の学生は絵画の塾に1年か数年、授業を受けているそうです。北京においては、殆どの絵画塾は1回につき1.5時間~2時間で、値段は150元~230元前後です。近年来、高校入試における芸術系の受験点数加点政策の廃止、及び経済不振による収入減等の影響で、楽器塾はダメージを受け、習う人数が減少する傾向にあると報道されています。うち、ピアノが一番目立ち、習う学生が大幅に減少してきました。また、チェロやギター、フルート、ドラム、クラリネットなども人気が下がっているそうです。

楽器に比べて、体育系の塾は近年来、人気高が続いています。子供の健康への重要視以外、もっと重要なのは教育政策の調整により、体育の得点は高校入試の総点数の一部となっていることです。現在、北京では小学校と中学校の段階から体育はますます重要視されるようになっています。体育系の塾には、バドミントン、水泳、バスケットボール、ピンポン、サッカー、ローラースケート、それから学校の試験内容の一部である縄跳びの練習等も塾の人気授業となっているようです。体育系の学費は割と高く、ピンポンを例にすると、1対1で1時間240~300元ぐらいがかかります。

その他、囲碁やダンス、司会練習、武術等の塾もあります。また、オンライントレーニングも流行っているそうです。例えば絵画の場合、オンライン授業は現場の授業に比べ、値段は半分しかなく、また現場まで保護者の見送りも要らなくてとても便利のため、一部の家庭ではこのような授業を選んでいます。

また、深刻な少子化の進行に伴い、子供たち自身の興味と選択を尊重する保護者も増えているようです。趣味第一志向と同時に、自分自身の経済状況に基づいて塾を選択し、必要ない塾を辞めさせるなど、親たちの消費行動は次第に理性を取り戻しつつあると言えるでしょう。

以上