先週の6月7日(水)から10日(土)まで、中国全土において2023年の全国統一大学入学試験が行われました。今年は全国で1,291万人の受験生が参加し、前年より98万人増加し、過去最高を更新しました。そのうち、北京市の受験生人数は6.5万人です。下図は北京のある試験場周辺の様子で、大学受験期間中、親たちが受験生を見送っている様子です。
ここ数年、中国の大学入試の合格率は90%近くになっていますが、名門大学の競争が依然激しくて、極一部の優秀な学生しか入れません。清華大学と北京大学を例にすると、合格率が最も高いのは3つの直轄市で、北京は0.603%、天津は0.135%、上海は0.098%となっています。合格率が最下位の河南省ではわずか0.014%、江西は0.014%で、競争の激しさは以前と変わっていないようです。下図は清華大学のあるサッカー場の様子です。
2023年、全国の大学入試志願者数1,291万人の一方で、大卒者は1,158万人に達すると予想され、新卒の「就職難」問題が目立っています。就職問題を解決するため、政府は2021年『現代職業教育の質の高い発展の推進に関する意見』を発表し、職業教育に力を入れる決意を示しました。今年の5月22日、教育部は深セン職業技術学院を深セン職業技術大学に昇格することに同意しました。しかし、現在の中国においては、職業教育はあまり重要視されていなくて、これから受験生や社会に受け入れられるかどうか、今後の発展はどうなるか、さらに観察する必要があると思われます。
研究者は中国の2020年-2035年の学齢人口を予測した結果、将来の学齢人口の総規模は3億2,800万人から約2億5,000万人に減少し、学前、小学校、中学校、高校、高等教育の学齢人口はそれぞれ2020年、2023年、2026年、2029年、2032年にピークに達し、その後急速な減少傾向に入るそうです。今後10年ほど、大学入試適齢人口は依然として増加傾向を続け、「受験熱」は継続すると予想されますが、10年後、大学は生源危機に直面することは避けられず、この問題は中国の高等教育普及化の持続可能な発展にも直結し、中国の高等教育が新たな構造調整期に入っているとも言えるでしょう。
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