【北京だより】12月15日号

先週の12月7日は二十四節気の「大雪」で、北京もますます寒くなってきています。今週は連日大雪が降り続き、雪の後は寒波が到来し、最高気温も零下となり、生活のあらゆる面に大きな影響を及ぼしています。

一番大きいのは交通への影響です。雪と低温で線路が凍結しているため、地下鉄は殆ど減速運転措置をとり、列車の発車間隔も長くなったため、いつもよりだいぶ混雑するようになりました。雪の影響で地下鉄昌平線は列車の追突事故が発生し、100人余りの乗客が怪我をしました。また、路面が凍結しているため、北京周辺では大半の高速道路が封鎖され、200本近くの郊外バス路線は運転停止や路線変更などの措置を取っており、市民の外出に大きな影響が出ています。高速鉄道と飛行機への影響も大きく、数多くの列車と航空便がキャンセルされています。下図は地下鉄入り口の様子と建国門近くの道路の様子です。

北京は今週、赤に次いで高い警報であるオレンジの大雪警報と寒波警報をそれぞれ発表しました。いずれも近年来では珍しいことです。報道によると、華北と黄淮地域の累積雪量はここ10年で最高になりそうです。雪と寒波の影響で12月13日から北京市の各小中学校は休校になり、オンライン授業に切り替わりました。いつ登校が再開なのかはまだ未定です。交通機関の渋滞を緩和するため、政府は時差出勤や在宅勤務等を呼びかけています。また、主幹道路で塩を撒いたり専門掃除機械で雪を除去したりする以外、各団地では市民が積極的に雪の除去作業を行っているところも少なくありません。

天気予報によると、今年で一番強い寒波の影響でこれからの十日間は最低気温は-16度前後まで下がり、昼間の最高気温も零度割れでとても寒くなります。市民に防寒措置を呼びかけているほか、地下鉄等の公的機関では防寒用のプラスチックカーテンも使い始めました。これは例年ではなかったことです。国家気象情報センターのデータによると、過去1951年から2019年にかけて、北京の年間平均大雪日数はわずか0.4日で、北京の冬季の平均降水量は8.3ミリにすぎませんでした。つまり今年の大雪は北京においては本当に珍しいことと言えるでしょう。

中国には「瑞雪兆豊年」ということわざがあります。この時期の大雪は来年の豊作を意味する言葉です。今回の珍しい大雪で来年北京周辺は豊作で豊かな年になるだろうと思われています。

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