日本にいたときには、二十四節気と言われても、日本の気候と合わないことが多く、暦の上で、「今から夏(立夏)です」とか、「今日から冬(立冬)です」と言われても、ピンと来なかったものです。
しかし、北京で2年余り暮らしていますと、春夏秋冬を太陽の運行角度に基づいて、6つの節気に分ける二十四節気が、中国の気候とまさに一致していることに気付きました。
当然のことながら、二十四節気は、殷とか周(紀元前17~8世紀)といった途方も無い大昔から使われ、長い暮らしの中で、中国の人々が培ってきたものです。
近年、日中関係はギクシャクし、日本人の対中感情は悪化の一途をたどっています。日本人は往々にして、現実を知るよりも、感情が先立つ傾向があると思います。そのような意味で、相手(中国)を冷静に知ることが必要ではないかと思います。
偉そうなことを言ってしまいましたが、本稿では、あまり大上段に構えずに、北京の名所旧跡なり、花が咲いた、雨が降った、これが美味しいなどといった北京の人々の生活と小さなことがらを、二十四節気に基づいて、写真を中心に紹介していきたいと思います。
皆様には、気楽にお付き合い頂ければと思います。
●夏至(2016年6月21日 くもり 最高気温 32℃、最低気温 22℃)
陽が一番長い日です。但し、この日が一番暑いわけではなく、これから暑さが増して行きます。
夏至のころから約1ヶ月~1ヶ月半、蓮の花が見所となります。北京で有名な場所は、円明園、北海公園などです。
北海公園を歩いていたところ、暑い日差しを避けた木陰で、おじいさんが若い親子に「空竹」という中国ゴマを教えていました。おじいさんの口上が面白く、コマもうまく回ったり、回らなかったりするため、皆さん、楽しそうに笑っています。生活が落ち着いたからでしょうか、北京では家族の笑顔が増えているように感じます。
※写真は北海公園(北京事務所・谷崎秀樹)