(2024年2月18日 国家外貨管理局HPより)
国家外貨管理局副局長の王春英氏は2023年の国際収支状況について以下の通り述べた。
・速報値ベースによると、2023年の中国の国際収支は基本的に均衡を保っている。 中でも経常収支の黒字は2642億ドルで、同期間の国内総生産(GDP)に対する黒字規模の比率は1.5%で、合理的な範囲にある。対中投資も安定している。
・物品貿易は6080億米ドルの黒字となり、2022年に次いで過去2番目に高かった。 2023年、中国経済は回復を続け、対外貿易の弾力性は高まり、財貿易の輸出入規模は四半期ごとに増加した。
・サービス貿易赤字は2,294億ドルとなり、コロナ前の水準に回復する傾向が見られる。 一方、旅行と物流は依然として主な赤字項目である。中でも旅行関連の赤字は1,806億ドルで、海外留学や海外旅行への支出規模は2019年の80%近くまで回復している。また、コンサルティングや広告などの商業サービスの黒字は380億米ドルとなり2019年比96%増、電気通信・コンピューター・情報サービスの黒字は192億米ドルで、2022年比8%増、2019年比1.4倍増となった。
・対中投資全体は安定。中でも外資による株式への直接投資は年間621億米ドルの純流入で、第4四半期の純流入規模は前年を大幅に上回った。9月から12月まで、外国人投資家は国内債券の純保有額を累計600億米ドル以上増加させた。
・2024年を展望すると、中国の発展が直面する有利な条件は不利な要因よりも強く、経済が長期的に回復・改善するという基本的な傾向に変化はない。市場は一般的に、主要先進国の中央銀行が利下げサイクルを開始し、対外金融情勢がより緩やかになると予想している。 内外環境の全体的な改善により、中国の国際収支は基本的な均衡を維持するためのより良い基盤と条件を備えている。