【講義のポイント】拡大版中国ビジネス実務セミナー(後半)(2025/2/6・7)

平素より当機構の活動に多大なご支援、ご協力を賜り厚く御礼申し上げます。
さて、2025年1月30日(木)、31日(金)、2月6日(木)、7日(金)の計4日間、桜美林大学様と共同で開催致します、
「拡大版中国ビジネス実務セミナー」につきまして、各講師の皆様より講義のポイント及びメッセージをいただきましたので、ご紹介させていただきます。
この機会に是非とも本セミナーをご活用いただきたく、皆様からのお申込みをお待ちしております。

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〇2月6日(木)
【1限目:政治・経済・国際情勢】
◆講師
東洋学園大学 客員教授
朱 建栄 氏
◆タイトル
未来目標と眼下を兼ね備えた対応の難しさ
-中国の政治と社会の最新動向-
◆講義のポイント
2024年を振り返り、三中全会が「中国的現代化」の方向を確認し、今後5年間で達成必須の300以上の改革目標を提示したことは25年の中国の政治経済と社会を見るうえで最も重要な依拠だと分かる。中国が長期目標と当面の山積する課題との間にいかに均衡を取るか、苦労しているその思考様式と取り組み方、更にその背後にあるトランプ政権2.0時代への対策も理解しないと、日本の対中ビジネスのマクロ的環境と方向性を読み誤る恐れがある。
◆講師からのメッセージ
中国の思考様式には、「人无远虑必有近忧」(先々のことを考えずして、近くに必ず憂い事あり)、「做最坏打算,求最好可能」(最悪を想定し、最善を目指す)というものがある。中国の経済政策と対米戦略もまさに長期戦略(10年以内に総合国力でアメリカに追いつくこと)を定めた上で当面の諸問題に真剣に当たっており、アメリカと対決する姿勢を見せつつ、裏ではトランプ政権との安定ないし「ビッグディール」を大胆に模索している。中国的発想をまず理解する必要がある。

【2限目:政治・経済・国際情勢】
◆講師
神戸大学 経済学部 教授
梶谷 懐 氏
◆タイトル
中国経済は日本化するのか
◆講義のポイント
製造業大国として高成長を続けながら、不動産市場のコントロールに失敗。少子高齢化が急速に進行し、財政赤字の拡大とデフレに苦しむ……「失われた三〇年」とも言われる日本の長期停滞を中国も繰り返すことになるのではないか。ここ数年の中国不動産市場の変調を受け、こうした論点が改めて注目を集めている。本講演では、「中国経済の日本化」をめぐる問題を世代間の資源移転の失敗という観点から改めてとらえ直す。
◆講師からのメッセージ
不動産価格の低下から生じた経済不振によってピークアウトを迎えた中国経済にはこれまでにない、大きな不確実性が生じています。しかし、影の部分が拡大しているからと言って、光の部分に全く目を向けなければ、やはり問題の本質を見誤るでしょう。本講演は日本に住む私たちにとって重要なのは、いま中国経済で何が起きているのか、複雑な現状を経済学の知見を活かして整合的に理解するための視点を提供します。

【3限目:政治・経済・国際情勢】
◆講師
桜美林大学 大学院特任教授
山田 周平 氏
◆タイトル
第二次トランプ政権下における米中台のハイテクトライアングル
◆講義のポイント&◆講師からのメッセージ
米国で1月に第二次トランプ政権が発足したことで、半導体を中心とした米中両陣営のハイテク摩擦が長引くことが確実になっている。台湾海峡情勢も緊張が続くとみられ、TSMCなど摩擦の最前線に立つ台湾のハイテク企業群も新たな対応を迫られる公算が大きい。本講演では、中台の産業動向に詳しい報告者が会員企業でサプライチェーン運営や貿易管理を担当している皆様を対象に、ハイテクを巡る米中台の三角関係の現状と見通しを解説する。

〇2月7日(金)
【1限目:産業・技術動向・日中ビジネス】
◆講師
東京大学 社会科学研究所 教授
丸川 和雄 氏
◆タイトル
中国のハイテク産業の現状と展望(EV・自動運転を中心に)
◆講義のポイント
・中国におけるハイテク産業(EV、5G、自動運転、IC、液晶など)の現状
・中国政府のハイテク産業政策(「中国製造2025」が中途で挫折したのちどうなったか?)
・自動運転の政策と現状
・中国のハイテク産業はトランプ新政権の圧力下でどうなるか?
◆講師からのメッセージ
日本の企業は中国への投資はもちろん、出張さえ控えるようになった。日本のマスコミでは中国経済の不調ばかりが伝えられる。私は2024年に7回訪中する機会があった。中国経済がいろいろな課題を抱えていることはたしかだが、ハイテクの応用はすでに日本を超えて進んでいる。自動運転も今年のうちには本格的な営業運行が始まるだろう。中国で実体験したハイテクの応用の現状を、現地で撮った写真を用いながら説明する。

【2限目:産業・技術動向・日中ビジネス】
◆講師
野村総合研究所 未来創発センター
エキスパート 李 智慧 氏
◆タイトル
中国の新興産業の発展現状
〜AI 産業、低空経済産業を中心に
◆講義のポイント
中国は、新興産業と未来産業の積極的な育成やデジタル経済の革新的発展を促進する産業政策を打ち出している。具体的には、新たな成長産業として民間宇宙産業、低空経済などを挙げ、「人工知能+(AIプラス)」行動を展開し、企業のイノベーション促進、雇用創出、国際競争での活躍を後押しする方針を示した。中国のAI産業及び低空経済産業を中心にイノベーション企業の最新動向などを解説します。
◆講師からのメッセージ
1 このような方々(企業・部署)におすすめ
中国はマクロ経済の不調の一方で、先端的なイノベーションの実装が多く行われています。中国を見るときは、多面的な考察が必要です。AIをはじめとする先端技術の発展現状及び実装事例は、日本企業が今後のデジタルトランスフォーメーションを考える上で貴重なヒントを多く含まれています。
2 このような事例をご紹介します
NRIが中国のICT分野のシンクタンクとの国際共同研究の成果及び講師が数々の現地視察を通じて得た生の情報をベースに最新動向をお届けします。

【3限目:産業・技術動向・日中ビジネス】
◆講師
桜美林大学 大学院長 教授
雷 海涛 氏
◆タイトル
日中ビジネスの新潮流「出海日本」(中国企業の日本進出)
◆講義のポイント
近年、中国企業の対日投資がますます盛んになってきた。その要因は、米中対立、サプライチェーンの再構築から、中国経済の不調と国内競争の激化まで、さらに為替変動など様々な要因がある。一方、これを機に、多くの中国企業関係者が日本に対して再認識しており、日中ビジネスの新たな局面を迎えている。本講義はこれらの現状を踏まえて、今後の展開を整理してみたい。
◆講師からのメッセージ
中国企業は1990年代後半から日本市場の進出を試みてきた。以前のハイアールの三洋電機の家電事業買収、さらに、2010年代の美的の東芝家電事業買収、ハイセンスの東芝テレビ事業買収から、近年の自社ブランドの日本市場進出(BYDやシャオミなど)まで、時代とともに進化してきた。また、コロナ後の対日投資ブームが起きている。これらの事例を取り上げながら現状と課題を掘り下げてみたい。