◆一般社団法人日中投資促進機構の海外アドバイザー 郭 文軍様より寄稿7◆
かつて、中国の新エネルギー自動車産業はほぼ空白であった。わずか数十年の間に、中国の新エネルギー自動車産業は注目すべき変革を遂げ、無から有、弱から強への華麗なる転身を実現した。現在、中国の新エネルギー自動車の生産と販売台数は急速に増加しており、強力な勢いで世界の自動車市場において重要な地位を占めている。 生産量の面から見ると、中国の新エネルギー自動車産業の生産量は爆発的な成長を遂げている。2014年には中国の新エネルギー自動車の生産量は約8.4万台(他のデータでは7.85万台)であったが、2023年末には958.7万台に達した。2014年から2023年のこの10年間で、生産量は100倍以上の増加を遂げた。
販売分野においても、中国の新エネルギー自動車も優れた市場パフォーマンスを示している。新エネルギー車の新車販売台数が総新車販売台数に占める割合は年々増加しており、2023年にはその浸透率が30%を超え、市場占有率は31.6%に達した。今年に入り、この割合はさらに高まり、1月から8月の間に新エネルギー自動車の生産と販売はそれぞれ700.8万台と703.7万台に達し、前年同期比でそれぞれ29%と30.9%増加した。新エネルギー車の新車販売台数は総新車販売台数の38.6%を占めている。
新エネルギー車に対する、消費者の認知度はますます高まり、購入需要も増大している。新エネルギー自動車はすでに自動車市場の重要な成長極となっている。特に一部の一線都市では、新エネルギー自動車の販売が非常に好調であり、充電スタンドなどのインフラ整備の進展も新エネルギー車の販売をさらに促進している。
輸出面においても、中国の新エネルギー自動車も顕著な成果を挙げている。欧州連合(EU)の高額な反補助金税の課税など貿易摩擦による挑戦に直面しながらも、中国の新エネルギー自動車企業は積極的に海外市場を開拓し、輸出量は着実に増加している。2024年1月から7月の間に、中国の自動車輸出は348.5万台に達し、そのうち新エネルギー車は100万台を超えた。中国の新エネルギー自動車は国際市場での競争力を強化し、ブランドの影響力を向上させており、中国の自動車産業の国際化に向けた発展のために強固な基盤を築いている。
中国の新エネルギー自動車産業は、量から質への変化を遂げてきた。この過程において、中国の新エネルギー自動車産業は技術、市場、ブランドなどの優位性を絶えず積み重ね、徐々に世界の新エネルギー自動車産業のリーダーとなっている。今後、技術の革新が進み、政策の持続的な支援が続く中で、中国の新エネルギー自動車産業はさらに広大な発展空間を迎え、中国経済の高品質な発展と世界の自動車産業のグリーン転換に一層大きな貢献を果たすであろう。