先週12月14日(木)、北京市住宅と都市農村建設委員会(北京市住建委)及び人民銀行北京市支店など5つの部署は共同で「本市の一般住宅基準と個人住宅ローン政策の調整・最適化に関する通知」を配布し、一般住宅の認定基準の最適化、新規住宅ローンの最低頭金支給比率の引き下げなどを発表し、不動産市場へのサポートを明らかにしました。今後、団地の建築容積率は1.0(含)以上でワンセット建築面積(一部共有部分を含めた所有面積)は144㎡以下で、5環路以内成約価格は85,000元/㎡以下、5−6環路成約価格は65,000元/㎡以下、6環外成約価格は45,000元/㎡以下の住宅は普通住宅と見なされることになっています。
また、個人複数所有1番目の住宅ローンの最低頭金比率を30%に統一的(過去は一般住宅が35%、非一般住宅が40%)に引き下げ、2番目の住宅ローンの最低頭金比率を市内六区は50%、市内六区以外の郊外部は40%(過去は一般住宅が60%、非一般住宅が80%)に大幅に引き下げました。同時に、住宅ローンを従来の最長25年から30年に延長しました。また、貸付金利も低下し、市内六区の1番目と2番目の不動産の金利下限はそれぞれ4.3%と4.8%に、市内六区以外の1番目と2番目の不動産の金利下限はそれぞれ4.2%と4.75%に引き下げました。
北京のこれまでの一般住宅認定基準は、2014年に制定され、建築容積率が1.0以上、ワンセット建築面積は140㎡以下、五環路内の単価は39,600元/㎡未満または総価格は468万元未満、五環から六環路の単価は31,680元/㎡未満または総価格は374.4万元未満、六環以外の単価は23,760元/㎡未満または総価格は280.8万元未満の場合は一般住宅と認定されました。しかし不動産価格の高騰に従い、ある研究院のデータによると、2022年、北京の四環から五環、五環から六環、六環外の新築商品住宅のワンセット成約価格はそれぞれ914万元、610万元、395万元で、従来の認定基準を遥かに超えています。この不動産新政策の効果はすぐ市場に反映し、不動産仲介会社のデータによると、中古住宅の成約量はこの1週間で20%ほど上昇したそうです。
今年は、北京の不動産市場全体は相対的に安定していると言え、1月~11月の新築住宅は前年同期比17.5%増の46,513戸が成約し、中古は前年同期比6.7%増の143,309戸が成約しました。立地が良くない、築年代が古い不動産は1割~2割ほど値段が下がっていると報道されています。自宅が所在する朝暘区を例にすると、今年に入って不動産の平均価格は小幅に下がりつつありますが、過去9年間から見るとやはり値段が高止まりにあると言えるでしょう。
新築部屋の場合、朝暘区はほぼ8.5~9万元/㎡で、下図に東北4環路と5環路の間に位置する「麗都1号」新築団地で、平均で9万元/㎡となっています。
中心部の東城区と西城区はあまり土地がないので、新築は珍しいことです。中古部屋は現在西城区は平均で約12.8万元/㎡、一番高い金融街周辺は約17万元/㎡となっています。中心部は全体的にはほぼ横ばい状態で、場合によっては70年代、80年代築のかなり古い不動産は小幅に下がっています。下図は「房天下」が統計した西城区の中古不動産価格のトレンド図です。
経済の低迷で全国では不動産市場は不振状態で値段が下がっている都市はほとんどですが、北京の11月の中古住宅の成約は約1.3万戸で、購買力は依然強靭で、今回新しい刺激政策の影響を受け、短期的には市場は暖かくなる可能性がかなり高くなると思われています。長期的にはやはり経済環境が影響するため、しばらく不透明感があり、続けて様子見が必要と言えましょう。
以上