【『個人情報保護法』に関する解説】

（2021年9月1日、全人代ＨＰより）

・清華大学法学部の程啸副学部長、教授が、中国初の個人情報保護に関する特別法で、2021年11月1日から施行される「個人情報保護法」について、個人情報の取得・利用に関するポイント（ルール）を解説。

・個人情報の定義については、電子的・その他の手段で記録・識別された中国の自然人に関する情報とされ、中国国内に限らず中国国外の全ての事業者や自然人に対しても、中国個人情報を利用する場合は、領土管轄権の原則に基づき当該個人情報保護法が域外適用される。

・個人情報の利用者は、個人情報取得前に利用の目的、方法、範囲などを分かりやすい方法で、個人情報の提供者本人に連絡・通知する事が求められ、本人の同意なく利用した場合や、本人が当事者である契約の締結、公衆衛生上の緊急事態対応など合法的な根拠がない場合は、個人情報侵害となり違法。

・ビッグデータ、ＡＩ、アルゴリズムなどを用い個人の行動特性や嗜好、健康、信用状態などをコンピューターが自動的に分析・評価し当該個人との商取引における取引条件などを決定していく自動決定の仕組みは、分析・評価のプロセスの公平性・透明性を確保しなければならず、また、この仕組みによる個人への取引条件の不当な差別は制限すると規定。

・そのほか、顔認証や指紋など生体情報の利用は、公共の安全を維持する目的でのみに限定。

・違法な個人情報利用には、5,000万元以下又は前年売上高の５％以下の罰金などの罰則規定が盛り込まれているほか、個人情報利用者が自らの無過失を立証できない個人情報侵害には、利用者が損害賠償責務を負う事が定められている。