【北京の二十四節気】雨水-春節のショッピングモール-

雨水-春節のショッピングモール (2018219曇り・中度汚染 最高気温 6、最低気温 -3

 

今年の春節(旧正月)は216日で、前日の大晦日から一週間休みとなりました。北京の人口約2,200万人のうち、その大半がこの期間に帰省したり、国内外の旅行に出たといわれています。

そのうえ、今年から春節期間中、爆竹と花火の打ち上げが市内の住宅地域をカバーする第五環状線の内側において、全面的に禁止されました。禁止した北京市政府は、これによって大気汚染が減少し、眼の損傷事故が無くなったと胸を張っています。しかし、例年、家族全員が大量の爆竹と花火をつけて遊び、華やか光と凄まじい音のなかで新年を迎えていたものが、一転して、拍子抜けした暗い年越しとなりました。

昨年の春節では、『地壇公園の廟会』(「201724日立春」を参照)と題して、北京の人たちがこの時だけ開かれる伝統のある縁日のようなものを楽しむ様子を紹介しました。今回は近代的なショッピングモールで楽しむ姿を、それも欲張って3ヵ所いっぺんに写真を中心に紹介します。

 

 

トップバッターは『僑福芳草地』。所在地は北京CBDBeijing Central Business District)という商業エリアの最も西側にあり、20105月に開業しました。三角錐を半分に切ったような独特の建物のなかには、オフィスやホテルも入っています。ショッピングエリアは地上2階、地下2階にあり、真ん中に大きな空間をとり、橋やモニュメントなどいろいろなものが置かれていて、遊び心に溢れています。

 

 

買い物を終えたところでしょうか、楽しそうに歩く親子がいました。

 

 

おじいさんが孫をあやすのに苦労していました。赤い服を着た孫は額にも赤い印をつけていました。たまに中国人の子供に見かけますが、どのようなおまじないがあるのでしょうか。

 

 

次は『世貿天階』。先に紹介した『僑福芳草地』からほんの目と鼻の先、南に200メートルほど行ったところにあります。名前の「天階」は「天につづく階段」という意味で、老夫婦が見上げる大きなスクリーンを指しています。スクリーンの下は広場になり、左右にマンションやレストランなどが入った瀟洒な建物が建ち、地下1階がショッピングエリアになっています。2006年に開業しました。

 

 

父親は一眼レフで、母親は携帯の動画で、娘の踊る姿をずっと撮っていました。どこの国でも、親子の姿はほほえましいものです。

 

 

若い娘さんを1枚だけ撮らせてもらいました。残念ながら一人は目をつぶってしまいましたが……。

 

 

最後が『東方新天地』。北京のゴールデンエリアである王府井と東単をつなぐ1キロメートルほどの間に、オフィスやホテルがにょきにょきと並んでいます。その林を貫通するように、地上1階と地下1階に通路が開かれ、ショッピングエリアになっています。これらは20002001年にかけて開業しました。

 

 

道に迷ったのでしょうか。子供が無邪気に遊ぶかたわら、母親は渋い顔、父親は頭を掻いています。世のお父さんがた、こんな困った経験を一度はされたことが有りませんか?

 

 

『東方新天地』の王府井側の出入り口は人でごった返していました。中央の腕を組んでいる二人の青年、よく見ると、右の男性は耳にピアスを入れ、口紅、アイシャドウなどを塗って、しっかり化粧をしています。北京でもこのような人が普通に歩けるほど自由になったということでしょうか。初めて見ました。

文・写真=北京事務所 谷崎 秀樹

 

当サイト内の文章・画像などの内容の無断転載および複製などの行為は禁止します

 

★本コラムについてはこちらから→【新コラム・北京の二十四節気】-空竹-



★過去掲載分:

立春-雍和宮の臘八粥-2018/2/4

大寒-東来順-2018/1/20

小寒-農村のイヌ屋-2018/1/5

2017年掲載分

2016年掲載分