先月(8月)、1週間ほどの中国出張に行ってきました。今回は北京、鄭州、そして香港でした。また、北から南への旅でしたが、各地で料理を堪能してきました。と言ったら、「ナニをしに行ったか」と顰蹙を買うのは承知の上ですが、民は食を以て天を為すの如く、歳のせいか、エネルギーを補給しなければ長い旅を耐えることができません。
まず、北京滞在の時、学生から市内の美味しいレストランを案内されました。三元橋付近にある「蘇錦宴」という店ですが、中国四大料理の1つである「淮揚菜」、即ち揚州料理のレストランです。揚州料理は江蘇省の長江流域から生まれた風味ですが、上海料理ほど甘くなく、また北方料理ほど塩辛くないのが特徴です。その特徴から東西南北、多くの地域の人々から好かれると言われています。
そこである珍しいものを食べました。「砂葱」という野菜、モンゴル・ニラとも言われます。砂土の環境に成長した葱状のもので、その名称の由来になったようですが、味はニラほどのクセがなく、とても食べやすいものです。以前は肉まんの下地という使い道でしたが、いまは中華風サラダ(涼拌菜。下図)の一品で、お酒のつまみとしては抜群です!
涼拌砂葱
次は、いつもの定番の「清蒸魚」です。以前よく食べた「桂魚」(淡水魚の1つ)が最近なぜか少なくなり、その代わりに「多宝魚」(ヒラメの一種)のような輸入物が出回るようになった模様です。
下図の通り、注文したら大体30分ほどの時間が必要ですが、出るまでビールと、前記の「涼拌砂葱」で待つのをお勧めしますね。ビールで少しほろ酔いタイミングに、お待ちかねの「清蒸多宝魚」の登場です。ついでに白いご飯と一緒に食べれば、これ以上にないほどの絶品です。
あ~、これで一日の疲れが大分解消しました。
清蒸多宝魚
北京を離れた後、中原地方(河南省)の中心地、鄭州に移動しました。鄭州は同じ河南省の洛陽ほど、日本人には馴染みが薄いのかもしれませんが、元々農業を主体とする地域でしたが、近年、工業化が急ピッチで進んでいます。近年、台湾電子産業最大手のホンハイは、主力工場である鄭州工場を整備し、30万人の従業員を有し、約半分のiPhoneが鄭州工場から生産されたと言われています。
さて、河南料理自体は中国料理の中にはメジャーではありませんが、素朴な味付けで、これもなかなか美味しい。下図は、涼拌糸瓜(ヘチマ)と、太い豆腐皮ですが、塩・お酢・ニンニクで合えたもので、見るだけでもよだれが出そうな感じですね。
涼拌糸瓜(ヘチマ)と、太い豆腐皮(奥の方)
最後は香港です。
香港と言ったら広東料理ですね。特に「ヤムチャ」は多くの日本人がよく知っており、紹介するまでもありません。東京戻りの朝、香港でヤムチャを堪能してきました。下図の通り、どれもうまいのですが、大きいレストランのせいか、朝から大勢の人出で大変な賑わいでした。飲み会も食事会も雰囲気が大事で、良い気分になると料理も格段うまくなるものですね。
香港のヤムチャ
さて、自分がナニをしに来たのか、と自問しながら東京戻りの飛行機に乗り込んでいました。
出張の話しはまたどこかでやりましょう。再見!
雷 海涛(2024年9月)