【北京だより】9月9日号

9月に入り猛暑が終わり、北京は秋晴れの季節を迎えてきました。毎日の気温は18~28度ぐらいで、一年の中で最も快適な時期が到来しました。この美しい時期に、各種のイベントも集中的に開催されています。例えば今週開催中の「中国・アフリカ協力フォーラム」、来週開催予定の「中国国際サービス貿易交易会」、いずれも国際的な大型行事で世界の注目を集めています。大型行事以外、この時期に各学校や住宅団地も様々な見学活動を実施しています。先週末、子供たちを連れて、住宅団地主催の「北京水道水博物館」の見学活動に参加致しました。今週はこの博物館の様子等をご紹介します。

当日、朝8時半に団地からバスに乗って出発し、約1時間かけて北京水道水博物館に到着しました。この博物館は北京ではあまり有名ではないため、観光客が少ないようです。場所は北京中心部の東北2環路の東直門に位置し、建築面積は1,500㎡で、その全身は1908年に建設された清代の水道水工場で、2000年に現在の博物館に改築されました。博物館は新館と清代水道水工場跡地に分かれていますが、残念ながら、現在は清代水道水工場跡地の見学を一時停止しているので、今回は新館のみを見学することになります。

新館は3階建ての建物で、団地内の皆さんは並んで中に入り、館内ガイドさんの案内に従い、見学をスタートしました。館内1階は科学普及館で、主に地球上の水資源の概況、北京の各給水工場の給水能力、水の濾過過程、北京の5大水系(潮白河水系、永定河水系、薊運河水系、大清河水系、北運河水系)の現状、水の品質検査及び節水知識などの内容が展示されています。

ここで北京近年来の地下水の状況について、ガイドさんが詳しく説明してくれました。1980年代以来、都市の発展と人口の急増に伴い、北京の地下水位は急速に低下してきました。水不足の難題を解決するため、北京市は2014年から「南水北調プロジェクト」経由で長江から水を北京市に調達し、また、水消費量の高い工業を他の地域に移転する等厳しい対策を取り、北京の水供給が段々緩和されました。近年来の降水量増加にも影響され、北京の地下水位は段々回復してきました。

1階の見学が終わり、2階に上りました。2階は歴史館であり、ここは年代感のある展示エリアであり、各種文化遺産と写真等を通じて、この一世紀の北京水道水事業の歩みを展示しています。清代末期には、北京市内の浅井の水質が悪いことや、消火に水が足りないことなどの理由で、朝廷は国有株270万元で京師水道水会社を設立し、紫禁城の給水事業をスタートしました。ここで昔の人工掘削、人工取水の彫刻、古い精密機器、数十年前の労働者給与明細書、第1号水源井戸、1940年代の電機、昔の水質検査レポートなどが展示されています。ここで1つ面白いことを発見しました。それは、1949年の新しい中国の開国大典で使用した旗ざおは4本の水道管を溶接して作られ、42年間も使い続けていたことです。この旗ざおは現在、中国国家博物館に所蔵されています。

3階は臨時展示エリアで、特別なイベント等がある場合のみ見学でき、今回はオープンしていませんでした。約2時間の見学が終了し、水に関する知識をたくさん教えてもらい、子供たちを含め、皆満足してバスに乗り、住宅団地に帰りました。

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