【当機構海外アドバイザーより寄稿】『中国の「製造」から「智造」へ ₋高速鉄道列車₋』

◆一般社団法人日中投資促進機構の海外アドバイザー 郭 文軍様より寄稿4◆

 近年、中国は世界の先進レベルにある高速鉄道を擁し、比較的完備した高速鉄道技術システムを形成している。中国の高速鉄道の「速さ」と「安定性」の発展は世界中から広く注目されている。追い付くから先頭を走るへ、製造から創造へ、「中国速度」と「中国の知恵」は驚異的である。

出典:中国鉄路北京局集団
1. 速度レベル 
 時速600キロのリニアモーターカーはどれだけクールであろうか。北京から上海までの1200キロは、わずか2.5時間で到達できる。現在、中国の高速鉄道の運行速度は一般的に時速300キロ以上であり、一部の路線、例えば京滬線では最高運行速度が時速350キロに達している。この速度は都市間の距離を大幅に短縮するだけでなく、社会の生産効率も大幅に向上させる。世界の他の国の高速鉄道の速度と比べ、中国の高速鉄道は2017年の速度レベルにおいて「世界第一の速さ」に達している。
2. ロングレール 
 レールの間に隙間がなく、熱膨張収縮の影響を受けない、これが中国の高速鉄道が持つ独特なロングレール技術である。ロングレール技術を用いて、高強度接続金具と軌道温度のロック技術などにより熱膨張収縮問題を解決し、軌道の連続性と安定性を著しく向上させ、振動と騒音を減少させ、列車の走行の安定性と安全性を向上させた。攀鋼(=攀鋼集団有限公司)は高速鉄道レール技術の発展において重要な役割を果たし、技術革新と地元資源の利用を通じて、中国の高速鉄道の急速な発展に確固たる基盤を提供している。 
3.スマートファクトリー 
 中国の高速鉄道は速度と効率を追求する一方で、乗客の乗車体験にも重視している。一部の駅では、さまざまなスマートロボットがアシスタントのように行動し、駅内ナビゲーションを実現するだけでなく、旅客の荷物を運ぶこともできる。QRコードをスキャンするか、顔認識を行うだけで、ロボットは駅内で乗客に従って移動する。スマート列車に乗ると、ハイテク感のある青い照明、ウォールナット色の車内パーツ、広々としたバリアフリートイレなど、乗客の乗車快適性が大幅に向上している。さらに、スマート列車の車両は駅の自動発車、区間の自動運行、駅の自動停車、ドアの自動開閉、ドアとプラットフォームの連動制御などを実現できる。このシステムにより、運転士の労働強度が大幅に低減される。
出典:新華社
4. 安全性と信頼性 
 安全性は高速鉄道運行の最重要事項である。中国の高速鉄道は安全性の面でも世界の最前線に立っている。先進的な信号制御システム、モニターシステム、高効率の緊急管理メカニズムを採用することで、中国の高速鉄道は高い安全基準を実現している。開通以来、中国の高速鉄道は極めて低い事故率と故障率を維持し、広範な乗客から信頼と高評価を得ている。 
以上のことから、中国の高速鉄道は「中国製造」から「中国智造」への転換を全面的に示している。将来、中国の高速鉄道は引き続き革新と発展を遂げ、世界の鉄道交通事業の発展にさらに多くの知恵を提供するであろう。これはまた、中国人の着実な品格と国の名誉を守る情熱を表しており、この精神により中国はより素晴らしい未来へと進んでいくであろう。