【北京だより】7月19日号

7月から中国の学生さんは夏休みに入ったため、最近、家族で北京へ旅行に来る観光客や各地の旅行代理会社経由で手配した「学生研修団」が北京に殺到しています。今週は北京の旅行市場の様子等をご紹介いたします。

「美団」の統計データによると、北京は7月には全国で最も人気ある旅行先となり、この1カ月、北京行きチケットの注文量と注文者数、及び宿泊予約量は前月比で急増しています。「去哪兒」が統計した夏休みの全国人気観光地ランキングでは、トップ10の観光地の中で北京が半分を占め、北京ユニバーサルが人気No.1で、次には八達嶺長城、頤和園、故宮博物院、中国国家博物館となっています。下図は午後16時頃の王府井大通りの様子で、最高気温35~37度にもかかわらず、終日賑わっています。

今年では、北京側の観光客受け入れ対応等はもっと柔軟になっているようです。例えば、近年来観光客の文句の焦点となっている「事前予約制度」につき、北京市文化・観光局は6月20日に公式サイトで通知を発表し、故宮や国家博物館等、極一部の観光スポット以外、他のところは事前予約制度を全面的に廃止しました。これで「わざわざ北京に来たのに、どこも予約いっぱいで入れない」、という観光客の心配を解消でき、民衆から大歓迎されています。

予約難の解消と同時に、各観光地では並ぶ時間が長くなり、特に学生さんの間で人気度合が高い各博物館では、入館の隊列が長くて、時々1時間以上並ぶところが多いそうです。この問題を解決するため、各博物館は様々な対策を打ち出しています。例えば、北京天文館、孔子廟、国子監博物館、北京芸術博物館、北京石刻芸術博物館などは閉館日を月曜日から火曜日にを変更し、香山革命記念館等においては月曜日の閉館を取り消しました。また、郭守敬記念館、国家自然博物館、北京天文館、大運河博物館等は閉館時間を夜まで延ばし、最大限で観光客のニーズを満たすように努力しています。これらの対策は高く評価され、観光客の満足度も例年以上に高まってきています。下図はある新華書店の様子で、本屋さんは静かで涼しくて、またここで好きな本も選べるので、夏休みの人気観光スポットの一つにもなっているようです。

世界遺産の観光以外、北京市内の各公園では各種の特色ある展示会、公演、文化市集などの活動を展開しています。また、一部のところでは、夜の活動があり、涼しくてたくさん人が集まっています。下図はある夜の演出活動現場の様子で、雑技が登場しています。他には歌やダンス、魔術、ダジャレ、變臉等があり、周辺では露店の美食市集があり、夜10時ぐらいまで続いています。

また、目下はハスの花が満開期に入り、頤和園、北海公園、陶然亭公園、什刹海公園、玉淵潭公園、龍潭湖公園、紫竹院公園などはハスの種類が多く、鑑賞に行く観光客も多いそうです。一部の公園ではハスの鑑賞を中心に、他の文化活動も同時に展開する形をとっています。例えば、現在紫竹院公園では「竹荷文化シーズン」が開催中で、ハスの花の鑑賞と同時に、伝統的な生け花、古風的な竹扇、団扇の絵付け、竹編みなどの手作り活動を同時に展開し、多数の観光客を集めています。

来週22日(月)は二十四節気の「大暑」で、一年中、一番暑い時期に入ります。北京の旅行市場も気温と同じように「ホット」で、今年の夏は北京に来る皆さんにとって美しい思い出になるように祈願しています。

以上