【北京だより】6月28日号

先週末、友達と天津市薊州区に遊びに行きました。薊州区は天津市の北部に位置し、北京からの距離は約100キロです。全区の総面積は1,590㎢、常住人口は約79万人です。薊州区は天津の歴史文化名城で、数千年前から住民が住んでいて、古代には無終、漁陽、薊州という名前が使われていました。非常に重要な立地なので、歴代においては兵家の必争の地で、長城もあり、古いお寺や塔、碑刻、お墓等の名所旧跡も多くて、歴史文化が悠久で輝いていて、現代経済の発展にも大きな影響を与えています。下図は薊州区の「漁陽古街」の様子です。古街では様々なお土産や地元の名物、食べ物等があり、旅客が多くて終日賑わっています。夜になると、露天の演奏会や他の出演活動がありますので、もっと人がいっぱいのようです。

薊州区で一番有名な名所旧跡は独楽寺で、今回も見学に行きました。独楽寺は唐代に建てられ、遼代(西暦984年)に再建され、今までは千年以上の歴史があり、中国国内に現存する三大遼代寺院の一つであります。

独楽寺の主要建築物は遼代の山門と観音閣の2つです。山門は国内現存最古の庑殿頂山門の実例で、山門に掲げている「独楽寺」という名前は明朝武英殿大学士の厳嵩氏が書いたものです。山門から中に入ると、観音閣があります。観音閣は中国現存の「最古最高」の木造楼閣式建築物であり、通高23メートル、外観2階、内視3階となっています。建築物に掲げている「観音閣」の文字は唐代の大詩人李白の手書です。観音閣内の観音像と菩薩彫刻はいずれも遼代塑像芸術の珍品であり、壁の壁画は元代の風格であり、明代に再描画されたものだそうです。観音閣のそばには乾隆行宮などの付属建物があり、その中には乾隆帝の御筆碑刻計28枚、詩文107編が保存されています。下図は後ろから撮影した独楽寺観音閣の様子です。

漁陽古街と独楽寺の後、魯班廟、文廟、白塔寺をそれぞれ見学しました。また、夜に入って、「夜市」(夜の自由市場)に買い物に行きました。薊州区の「夜市」は夜10時までやっていて、洋服や靴、カバン類から食べ物、玩具、生活用品、地元の特色のある芸術品等、何でもあるような感じです。値段も安く、歩けないほど混んでいました。

上図は薊州「夜市」の様子で、ここで「炒酸奶」(牛乳や砂糖、果物の干し物等を混ぜて冷やして炒めたもの)やジュース、焼き肉を食べながら遅くまで散策しました。露店の本屋さんから本を5冊買いましたが、一冊につき5元~10元で、とても安かったです。当日は遅かったため、薊州区で一泊し、翌日の朝、薊州の代表的な朝ごはんのお店「桑梓豆皮」(紙のような薄い豆腐の皮で揚げパンや卵等を巻いて食べるお店)で朝ごはんを済ませて、北京に戻ってきました。

以上