今週で今年の「6.18」が終了しました。ここ十数年、「6・18」と「11・11」(ダブルイレブン)は中国の各ECプラットフォームにとって最も重要な2大販促活動であり、全国の消費者から注目されている大型ショッピング祭りでもあります。
「6・18」というのは、電子取引商の京東商城によって始まった販促活動で、2008年に初めて消費者の視野に入りました。最初には、同社は京東商城の設立日(6月18日)を記念するため、毎年6月に一連の大型販促活動を実施し、その中で6月18日に一番大きい割引を行いました。その後、「6・18」キャンペンの影響が徐々に拡大し、他のECプラットフォームも参加し始め、全国範囲の販促活動になっています。
今年の「6.18」販促ルールの一番重要な調整は先行販売を行わなくなったことです。京東、快手、淘天等、殆どの大手電子商取引プラットフォームは従来の先行販売メカニズムの廃止を発表しました。また、公表データによると、2024年6月18日23:59現在、京東「6・18」の販売高と注文量はそれぞれ新高値を更新し、5億人以上のユーザーが販促期間中に注文したそうです。特に京東ライブコマースの注文量は前年同期比200%超増加し、高成長の勢いを継続しています。また、2023年より、京東を含め、天猫や拼多多等、大手ECプラットフォームは販売高総額を開示しなくなっています。
今年の「6・18」から見ると、国民の消費動向には下記幾つかの変化があるようです。まずは近年来流行っている「国潮風」が依然人気で、高成長を見せています。「国潮」というのは、中国特定の要素を取り入れたファッションデザインのことです。今年では、「国潮風」の服装が大人気で、京東のデータによると、今年の販促期間中、大人の漢服の販売高は前月比3倍となり、夏なので、薄着の漢服等が消費者に好かれています。また、唯品会の6・18データによると、若者(95以後生まれ)が購入した新中国式服装の量は前年同期比3倍まで増加し、漢服、馬面スカート、チャイナドレスなどが大人気だそうです。このような中国の伝統的な要素と現在の潮流をうまく結びつけた「新中式服装」は多分、これからも人気だろう思われています。
次には、家電・家庭用品消費が急速に増加していることです。今年の「6・18」では、「古いものを持って、新しいものへ交換する」という消費刺激対策を取っているメーカーさんが多く、家電と家庭用品の販売に拍車を掛けたそうです。例えば、ハイアールの洗濯機で、10キロの全自動家庭用洗濯乾燥一体型洗濯機は従来1998元で、 古い洗濯機の買い替えだったら、1668元程度で購入できます。
また、スマートホーム関連商品は高成長を見せており、拼多多が発表した6.18販促最初1週間の売上高によると、機能ソファ、怠け者ソファ、科学技術布ソファの売上高は前年同期比それぞれ260%、674%、3126%増加し、入浴セット、小夜灯、扇風機灯などの売上高は前年同期比それぞれ109%、372%、376%増加しました。スマート便座、スマートドアロック、スマート物干しハンガーなどは前年同期比それぞれ177%、141%、175%、販売高が増加しました。
また、夏に入ったため日焼け止め関連商品が好調で、日焼け止め化粧品、日焼け止め衣服・帽子等、販売高は急増しています。その他、若者の旅行やアウトドア活動のブームに伴い、使い捨て製品が売れ筋の一つになっています。天猫のデータによると、「使い捨て」関連商品の検索量は前年同期比急増し、使い捨てシーツの販売は同期比250%増加し、使い捨て靴下の販売は同期比180%増加しました。また、洗顔用使い捨てフェイスタオル、キャンプ用使い捨て赤ワイングラス、バーベキュー用使い捨てグリル等、使い捨て商品の増加が顕著で、「捨て生活」が好きな若者が年々増えていると言えるでしょう。
6.18は時代の変化を反映できる窓口の一つであり、来年の6.18ではまたどのような時代の変化や消費のトレンドがあるか、とても楽しみであり、人々が関心を寄せる話題の一つでもあります。
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