【北京だより】6月7日号

6月1日(土)は中国の「児童節」で、14歳未満の子供たちはこの日には休みとなります。今週は中国の「児童節」の様子等をご紹介致します。

まずは、国家最高指導者の習総書記は子供たちの成長を非常に重要視していて、毎年必ずこの日に全国の子供たちにレターを発信しています。今年、習総書記も早々に「おめでとう」というメッセージを全国の子供に発信し、祝福の意を伝え、また地方の小学校に対してもレターも書かれました。 「児童節」の前日は各学校では古詩朗読大会、合唱活動、手作り活動等様々な祝い活動が行われ、子供たちは授業から解放された幸せな1日を体験できます。この日には、各クラスの要求に従い、子供たちは古風の服装や、派手な化粧と服装等、好きな格好での登校は認めます。下図はある小学校の掲示板の様子です。

「児童節」当日の6月1日(土)になると、北京では、ほとんどの公園や博物館、子供を対象にしている各種の公的施設、公的名所旧跡等は14歳未満の子供に対しては無料で利用できます。家は最初、故宮見学を計画しましたが、残念ながら入場券は予約がいっぱいで諦めました。次に中国科技館の児童館を予約してみましたが、依然満員で、最後に予約が要らない北京城市図書館のイベント参加にしました。

当日、北京城市図書館の室外スペースにおいて、「国風」をテーマに、舞台踊りや詩の詠唱、うちわ絵画、書道体験、雲肩製作(中国古代、肩に置ける織物)、京繍(古代刺繡技術の一つ)、泥塑(粘土でキャラクターを作る)等、児童に向けて様々なイベントが開催されました。予約なしで無料で参加できるため、北京以外のところからも多くの家庭が押し寄せてきました。

上図は投壺イベント現場の様子です。「投壺」というのは中国古代の士林たちが宴会の場で進行する遊びであり、礼儀でもあります。春秋戦国時代から盛んになり、特に唐の時代では大流行でした。投壺は矢を壺に投げ、多く投げ入った人が勝ち、負けた人は一定杯数のお酒を飲むことになるそうです。今はお酒と関係なく、単なるゲームになっています。「壺」の中に矢が多く投げた子供は小さなお土産を貰えます。

「投壺」のほか、書道と団扇作り及び泥塑活動にも子供と一緒に参加しました。上図は書道現場の様子です。イベント参加のほか、現場では地方名物(地方芸術品や名物料理)の展示会もあり、午後14:30まで散策しながら見学しました。 

現在、北京のみならず中国においては少子化が加速し大きな社会問題の一つになっています。公表データによると、2023年、中国の出生人口は902万人、人口出生率は6.39%、人口の自然増加率は-1.48%です。北京の場合、2023年の人口出生率は全国平均を下回り、5.6%でした。また、つい最近の発表によると、上海市は合計出産率(女性が一生出産した子供の合計人数)がわずか0.6で史上最低値を更新しました。少子化の深刻化に伴い、子供は年々重要視されているので、来年の児童節は多分今年よりもっと豊富多彩と思われ、楽しみにしています。

以上